まるで動くホテル!? フェリー「さんふらわあ」スイートルーム乗船記

九州取材のため、静岡から鹿児島へ。普段は車移動が基本ですが、さすがにこの距離だと、マイカー移動だけでは無理がある!!……ということで、今回はフェリー「さんふらわあ」を使って、関西~九州間を移動することにしました。

ちなみに、結論から言うと、メンタル鍛えられるような船旅ではなく、移動中ずっと観光気分を味わえて大満足。片道の移動でだいたい15時間ぐらい乗りましたが、あっという間に到着。まだまだ、乗りたいなーい!って言うぐらい楽しかったです。

さんふらわの航路や運航時刻は?

白い船体に元気いっぱいの太陽が描かれた「さんふらわあ」。小さな子どもでも読めるように、ひらがなで書かれているのも優しさを感じますよね。

現在「さんふらわあ」は、関西ー九州間を運航中。航路は3つあって、船もそれぞれ異なります。

<航路>
①瀬戸内海航路(神戸~大分)「さんふらわあ あいぼり・こばると」
②瀬戸内海航路(大阪~別府)「さんふらわあ ごーるど・ぱーる」
③太平洋航路(大阪~志布志)「さんふらわあ さつま・きりしま」

<運航ルート>

出発時間は、いずれも17時~19時台。到着時間は、翌朝6時~9時台です。運航スケジュールは毎月変わるようなので、事前に公式サイトの「航路・時刻表ページ」をチェックするのが良さそう。

【往路】大阪→志布志(鹿児島)行き

…ということで、いよいよ「さんふらわあ」乗船日。やってきたのは、大阪港です。車利用の人は、いったん、白いラインの中に車を停めます。

今回の出発時間は17時55分。16時ごろ着いたら、駐車スペースはガラッガラでした。(※マイカーやバイクは通常60分前集合、繁忙期だと90分前集合です)

埠頭には、すでに巨大なフェリーが!!

こちらは2018年に登場した新造船「さんふらわあ きりしま」。
全長192m、幅27m、 総トン数13,500t。トラックだとおよそ120台、乗用車だとおよそ140台搭載可能なハイスペック船です。

全長192mって、どんだけ?と思って調べてみたら、あの新宿のモード学園コクーンタワーと同じ高さ。お、お、おおきぃぃぃはずだ!

そんな巨大きりしま君をめでながら、ターミナルへ向かいます。

中に入ると、旅の思い出づくりに役立つ、あの顔ハメパネルが置かれていました。お初にお目にかかります「さんふらわあ」様……ということで、やってみましたよ♪

旅情、あるよね?

旅気分ではしゃいでいたら、あっという間に乗船時間。手続きを済ませたら車に戻り、あとはスタッフさんの指示にしたがって、フェリーへインするだけ。楽ちんです。


こちら、フェリー内の駐車場です。さすがに広い!

車を停車させて、荷物を持ったらエレベーターへ。いよいよ「さんふらわあ」の船内に入ります。

みき

安全上、いったん車から離れると戻れないので、降車時は忘れ物がないようにしっかり確認しましょう

一人からカップル、ペットまで!新造船が凄かった

船内に入ってまず驚いたのが、吹き抜けの天井に投影されるプロジェクションマッピングです。音楽に合わせて、イルカが楽しそうに雲と雲の間をジャンプ…!(←ディズニー感あります)。船内はワクワクがみちみちていて、想像以上にエキサイティングな旅の始まりとなりました。

さて、客室は、ツーリスト、プライベートベッド、プライベートシングル、スーペリア、デラックス、スイート、などなどかなり種類豊富。一人旅から、カップル、家族まで十人十色の滞在ができます。なんとペットと一緒に泊まれる「ウィズペットルーム」まであるんですよ。

↓ こちらが、噂の「ウィズペットルーム」。

※さんふらわあ公式サイトより

ペットと一緒に泊まれるお部屋を作ったのは、実は日本のフェリーでは「さんふらわあ」が初めて。大型犬はNGですが、小型犬や猫ちゃんも一緒に泊まれます。ペットといつも一緒にいたい、愛犬家&愛猫家さんにはぴったりではないでしょうか。

今回、私がお泊りしたのは、「さんふらわあ」のスイートルーム。8Fがスイート専用フロアになっています。


廊下に漂うラグジュアリー感。部屋に入るのが楽しみになる!

扉を開けると…、ベッドとソファが置かれ、外には専用バルコニーが。TVや絵画まであり、もう100%完璧にホテルです。

大人の船旅らしい、落ち着いた配色が好き。

バルコニーにも出てみます。

この壮大な景色、爽やかな香り、心の奥底まで癒やされます。しかも景色がどんどん変わっていくから、見飽きることなくずーっと眺めていられる。

バス・トイレも清潔感たっぷり。

……で、何気に驚いたのが、このスリッパ。

よくホテルに泊まって、ペロンペロンのスリッパが部屋に置いてあると、妙にさみしーい気分になりませんか?

でも、「さんふらわあ」のスイートにあったスリッパは、適度な弾力があり、ふっかふかなんです。ビジネスホテルでも、ここまでふかふかなスリッパは珍しいかも。

冷蔵庫には、無料で飲める鹿児島の名水が入ったペットボトル。ウエルカムスイーツ代わりの「さんふらわあ」クッキー。


アメニティ類も女性に必要なものがバッチリ揃っていて、至れり尽くせり。さらに、エアコンは抗菌・抗ウィルス対応。これなら花粉もウイルスも怖くない!!

食事は充実した和洋折衷の定食(←今だけだよ!)

さて、気になる「さんふらわあ」の夕食はどうなんでしょう?

夕方、食事が提供されるレストランへ向かいます。中は奥行のあるデザイン。

お一人様用のカウンター席から、テーブル席まで、席数たっぷり。コロナの影響で間引きされていましたが、普通に座ったら200席はありそうです。

…で、ここのレストランは、本来ブッフェがウリ。

※さんふらわあ公式サイトより

和洋折衷およそ35種類のメニューが食べ放題になるんです!

※さんふらわあ公式サイトより

「バイキングには、お刺身も出るよ!」と聞いていたので、楽しみにしていたのですが、コロナのためブッフェは中止に。その代りに、2種類の定食が用意されていました。う~ん、残念!次回の楽しみにとっとこう。

夕食のA定食とB定食(どちらも1000円)。どちらも品数の多さに驚きです!!

そのままレストランで食べてもよし、テイクアウトしてお部屋で食べてもよし。今回は、テイクアウトしてお部屋で食べることにしました。


売店で好きなお酒をゲット。外の景色を見ながら、夕食をいただきます。

夕食の感動ポイントは、お弁当なのに出来たてで提供されること。スタッフさんが注文を受けてから作ってくれるので、おかずはどれも温かくて、かなり美味しい!レンチン弁当とはまったくの別物です。注文してから手元にくるまで20分ほどかかりますが、この美味しさなら納得。

ちょっと物足りなかったので、レストランでパスタを追加注文しました。お肉ごろっと!なミートソースがたまりません♪


船の上でも、甘いものは別腹。食後は売店で鹿児島のご当地スイーツ「白くま」を買いました。

ちなみに、「さんふらわあ」の売店はかなり充実していて、なんでも手に入る!っていうぐらい快適です♪

特に食品とお酒類はご当地色が強くて、バラエティ豊か。

Wi-Fiって、使えるの?

船内WiFiもちゃんとあります。さすがに海の上なので、WiFiのクオリティは決して高いとは言えませんが、弱いながらも電波は続く感じ。意外と使えます!!

電波がなくてネットが使えないときは、映画100本、無料で楽しめるエンタメサービス「SSQ(SunFlower Smart QUEST)」が便利でした。

みき

作品は、王道から激シブ路線(超ムーの世界Rとか)まで豊富なラインナップ。やんちゃな大人の遊び心を刺激してくれます。

海を見ながら、ひとっ風呂


大海原を見ながら、のーんびりお風呂に入れるのも、船旅の醍醐味ですよね。

「さんふらわあ」の大浴場は、大きな窓が魅力。まるで海沿いの絶景露天風呂に入っているような感覚になります。特に太陽の光がキラキラと差し込む朝風呂の感動と言ったら……!! 普段たまったストレスや疲れを、思いっきり開放してくれます。

あと、カラン(洗い場)がたくさん用意されているのも、女性に嬉しいポイント。

衝撃のお得度!ワンコイン朝ごはん

すっきり目覚めた翌朝、朝ごはんをいただきにレストランへ向かいます。夕食と同じで朝食もテイクアウトにしました。

・「洋朝食」(500円)
・「うどん・おにぎり2個セット」(500円)

どちらもワンコインって、船の上なのにお得すぎませんか?

うどんの関西風のお出汁が最っ高。おにぎりも大きくて、朝からお腹いっぱいになりました。

さらに朝食タイムは、レストランで挽きたてコーヒーが無料に!


コーヒー片手に、旅情に浸ります…。

「さんふらわあ」内のイチオシコーナー

船内を散策していて一番楽しかったのが、ここ。古い航路図と歴代の「さんふらわあ」を展示したコーナー。

「さんふらわあ」の運航は、「別府ー大分」間からスタートしました。長距離フェリーとしては、110年の歴史を持つ、国内最古の長距離フェリー航路なんですよ。初代はドイツから購入した貨客船「紅丸(くれないまる)」。歴代の船もその名前を受け継いでいるのだとか。

船内には、初代「紅丸」のモノクロ写真や、レトロな古地図もありました。昔の資料を眺めて、歴史ロマンに想いを馳せるのも楽しいですよ。

【復路】大分→神戸行き

帰りのフェリーは、ベテラン船「さんふらわあ あいぼり」。客室タイプは、デラックス、ファースト、スタンダード、ツーリストベッド、ツーリストがあります。

今回は専用バルコニー付きの「デラックス」に宿泊しました。

昭和感があって、レトロ可愛い。


バルコニーでゆったり夜景鑑賞。月明かりや夜景が幻想的でした。

……お気づきでしょうか?

なんと!! お風呂に「窓」があるんです。乗り込んだ時間が夜だったので写真は真っ暗ですが、朝は窓から光が差し込んで最高の眺望が楽しめます。これは、かなり高ポイントでした。

そして、瀬戸内海航路、最大のお楽しみと言えば、3つの橋をくぐること。

通過するのは、この3つ。

・明石海峡大橋
・瀬戸大橋
・来島海峡大橋(しまなみ海道)

大分→神戸便だと、ちょうど明け方に「明石大橋」を通過します。通過時間は、日~木曜が5時20分ごろ、金・土曜が6時30分ごろ。この時間になると船内アナウンスが流れ、ちょっとしたうんちくも聞けますよ♪

みき

橋の下を通過するなんて、フェリーじゃないと出来ない経験ですよね!がんばって早起きして良かった…。

さんふらわあの様子をぜひ動画でも!

ご飯はおいしく、夜はしっかり眠れて、船の中は快適そのもの。瀬戸内海航路だと橋をくぐるので、さらに旅気分が高まります。そんな船旅の様子を3分20秒ほどの動画にまとめたので、ぜひお楽しみください。


 

2022年12月には、「大阪ー別府」間に新造船が完成する予定。営業航海日は、まだはっきり決まっていないようですが、2023年1月頃になるのかな?と予想しています。

この船は、国内初めてとなるLNG(液化天然ガス)で動くフェリー。二酸化炭素の排出量をぐっと減らすだけでなく、乗り心地はディーゼルよりは揺れないという評判も。振動が軽減されるなら、さらに快適な船旅になりそうですね。こちらも楽しみです。

いろいろとご紹介してきましたが、

まずは船旅の入門編として、関西ー九州間が往復で1万円という『弾丸フェリー』プランを使ってみるのも良いかもしれません。

これだと、大阪で美味しいものを食べて、別府でひとっ風呂なんて夢も叶っちゃう。船旅を満喫しながら、観光の幅もぐーんと広がるなら、大アリ!ですよね。

詳しくはこちら。
↓↓↓↓

さんふらわあ公式サイト

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